天草コース (5)

夏のコースと共に
おまかせスペシャルコース2本立てで行っております“天草コース”
メイン料理のご紹介です。

テーマは
“赤ワインにも合う、秋を感じさせる夏の白身魚料理で
思いっきりヨーロッパテイスト”
です。

この “ヨーロッパテイスト” に疑問を抱く方も多いと思います。

“イタリアテイスト” は当たり前なんですが、
夏のイタリア魚料理って
なんかグリルかソテーで酸味を効かせたソース、
みたいな料理しか思い浮かばなくて・・・
他は前菜料理かなぁ・・・

天草コースの場合はパスタまでいろいろ魚介料理を楽しんで頂きます。
その後にグリルの魚でってのは
ワインが決まってしまうし、つまらない。

北イタリア料理人が作る魚料理にちょっとこだわってみました。


天草の魚を送って下さっている木戸さんに
「軽く煮込んで旨い魚はないっすかねぇ?」
と訪ねると、即 ”アラ” の話になりました。

私、
「アラ! 良い!   でも、、、高いっすよね・・・」


聞いたら、とんでもない値段。
そして1匹の大きさはやはり10キロ以上との事。


「木戸さん、ちょっと無理っす・・・ハタとかはあります?」


木戸さん
「ハタ???」


「ハタっすよ! アラの小さい奴でキジハタとかアカハタとか!」

木戸さん
「あ〜分かりました。こっちではアコウって言います。両方ありますよ。
たぶんキジハタがアコウで、アカハタが紅アコウですね。送っときますよ。」

で届きましたアコウたち。
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関東ではアコウダイっていう大きなデメキンみたいな魚がありますが、
それとは別物です。


ハタは昔から私は大好きな魚。

基本的に奇麗な海にしか生息しておらず
良い餌を食べている事とゼラチン質が豊富な事で、とても良いダシが出ます。

カサゴみたいに煮ても美味しい白身魚ですが、カサゴよりふんわりした食感。

アクア・パッツァにしても、ブロデットにしてもとにかく旨い!
しかし・・・市場で見るといつも高ーい。

今回は思いっきって使います!

しかもいきなりピンと来たポルチーニとのタッグで!

『アコウとイタリア産フレッシュサマーポルチーニ茸の軽い蒸し煮 ポレンタ添え』
です。
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小麦粉をまぶしたハタをまずはこんがりソテー。
それに白ワインを煮詰めたフィオッキ特製リドゥッツィオーネと
ハタのお頭や骨でとったスープとを合体させ
赤ワインとポルチーニ茸、ハタのスリーキーワードをつないでくれるスパイスを加え
1つの鍋でローズマリーとタイムを加えて蒸し上げます。
この煮汁をしっかり煮詰め、生クリームとバターを加えてソース完成!


私個人の自己満足を語らせて下さい。
「旨いです。いろいろな部分が旨く、それが一体と成っている!!!」

スミマセン・・・暴走しました。。。

自画自賛であり、大変申し訳ございませんが、
自分で納得がいく仕立てが出来た時、やっぱり嬉しいです。

だってそれが仕事、いやそれが我が人生の基盤なのですから。

と、大げさに語りましたこのコースのメイン料理、
お客さまにお出しするにあたり
若干自分でハードルを上げ過ぎてしまった感がありますが
是非召し上がって頂きたい一皿であります。


(もちろん白ワインも良く合います!^^)
by ryo_horikawa | 2010-08-13 14:57

祖師ケ谷大蔵     イタリア料理フィオッキホームページ       http://www.fiocchi-web.com/main.html是非ご覧ください


by ryo_horikawa