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冬の黒トリュフ

白トリュフが終わり、ひと月も経つと黒トリュフが旬を迎えます。

今シーズンの白トリュフはまれにみる不作の年となりましたが、
ここに来て黒トリュフは採れ始めているようです!

今回の物もなかなかの品質です。
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トリュフにもいろいろな品種があり、
秋まで出まわるトリュフと冬のトリュフとでは、別の種類になります。

この時期のものは黒トリュフとしては品種、気候共に
ベストシーズンで甘〜い香りを持っています。


当店では只今、白子と菜の花のリゾットにかけています。
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白子はもともとキノコとの相性が良く、黒トリュフの強い香りとも良く合います。

お客様の前にこの料理が運ばれると、
ホールは白トリュフとまた少し違った香りの官能的な香りに包まれます。

クリームを使う料理や卵料理とも高相性で、これから何週間か、
冬料理の締めくくりとして、他の黒トリュフ料理も作って行きたいと思っています。
by ryo_horikawa | 2008-01-28 10:28

語りかけてくるワイン

“オルトレポー・パヴェーゼ”
バローロやバルバレスコ、ソアヴェなどのように知名度はありませんが、
実は、イタリアワインの中ではかなり上位の生産量があります。

今回はオルトレポー・パヴェーゼの“ファティーラ”というワインです。
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“ヴェルチェージ”という作り手のハイレンジの赤ワインです。

‘00年のヴィンテージでこなれてきており、とてもエレガントで力強く滑らか。
素直に美味しいと思えるワインです。

しかし何より感動したのは土着品種のボナルダ100%で、
イタリアワインの良さである、素朴で自然な味の延長線にあることです。

早速、和牛ホホ肉の煮込みと合わせてみました。
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イメージ通りでした。
野菜の甘味と豊かな果実味、柔らかい肉の食感と滑らかな口当たり、
ホホ肉のゼラチン質を切ってくれる酸とアルコール、最高でした。良く合いました。



このワインとの出会いは・・・

今回の定休日に
当店の仕入れ先の1つである横浜のエノテカ(酒屋)へ行ってきました。
ここの店主とはいつもコミニュケーションをとっているので、知ってはいましたが
かなりイタリアワインに精通している人物です。
小さな店の2階には、所狭しと綺麗にイタリアワインが積まれていて
部屋そのもの自体がワインセラー。
私にとっては涙が出る程の素敵空間でした。

各店舗より注文が入ると、このワインの山から彼自身が荷作りするとの事で
確かにイタリアワインに詳しい訳であります。

彼はオルトレポー・パヴェーゼのインポートもしており
このワインに対する熱いハートは彼が作る資料にも現れています。
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オルトレポーの地図。ミラノから車を一時間ほど南へ走らせた所です。
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1階にはイタリアを感じるなんとも可愛らしいショップがあり、
ここでは立ち飲みが出来るようになっています。
そこでこのワインを試飲させて頂いた訳です。

グラスを傾けている時に彼は
“小さなワイナリーで畑仕事を一生懸命している作り手がとても面白い”
と熱く語ってくれました。
確かに大きなワイナリーは畑、醸造、マーケティングと
沢山のカテゴリーで仕事が分かれていて
一個人の哲学がワインや言葉を通して伝わりにくいものです。

彼の熱いパッションがイタリアの素晴しき風土、
小さなワイナリーの哲学などをグラスから立ち上がらせ
私の胸に強く伝わってきました。

いろいろ試飲させて頂いた後
近くのワインレストランで(彼はレストランも営んでいた!)
ワインと食事を楽しませて頂きました。

とても素敵な一日を過ごす事ができ、新たに甦る熱き想いを胸に
雪解けの横浜の夜を後にしました。
by ryo_horikawa | 2008-01-26 18:09

ナマコのアミューズ

沼津の仲買さんから、今回は魚類と一緒にナマコも入れて頂きました。
馴染みのあるその名前ですが、
容姿は決して馴染みある物ではない食材です。
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内蔵を開くと海水があふれ出てきます。
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この内蔵類は “このわた” や “このこ”です。
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腸(このわた)は指でしごくように洗って、かるく塩をします。
写真の上がこのわたで、下がこのこです。
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内蔵が無くなっても、
またもとの形に戻ろうとする生命力は驚きです。 
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内蔵を取って洗ったら、
そのままスライスしてコリコリした磯の味を楽しむのが一般的ですが、
中華料理にナマコ煮があるように、煮ても美味しいので
スープの様な、煮込みの様な “ヴェッルタータ” を作ってみました。

まずは野菜と炒めてブランデーやヴィネガー、ワインなどを加えて煮込みます。
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煮えたナマコを取り出しカットして
スープには生クリーム、バターを加えて滑らかなピュレにします。

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スプマンテにピッタリの味なので、アミューズの一品として登場予定です。




他には大きな水ダコや
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細魚(サヨリ)などが届きました。
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骨はいつものように干します。(今回は個性を生かし頭付きです)
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当店ではズッパ、パスタ、メイン料理では
イタリアの味をなるべくそのまま伝えたいと考えており、
コースの前半ではイタリア料理でありながら
豊かな日本の海の味も楽しんでいただきたいと思っています。

特に個性的な魚介類は南イタリアを旅したことを思い出しながら、
あれこれ考えて料理をするのがとても楽しいです。
by ryo_horikawa | 2008-01-22 11:58

沼津からの直送鮮魚

先日、沼津より届いた魚類です。
当店は東名高速用賀インターから近い為、朝揚がった品物が夕方前には届きます。

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この日はヒラスズキ、ヒラメ、ジンドウイカ、ヒイラギ、赤ラサ、赤海老などでした。



まずは赤ラサを捌きました。人差し指位の白身小魚です。
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三枚におろした身は、塩をして皮目を軽く炙りマリネにしました。
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頭はまかないのみそ汁のだしへ
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中骨は軽く塩をして、風通しの良い所で干します。
(唐揚げにしてアミューズの一品になります。)
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そしてこの時期、トロール漁で揚がっている赤海老。
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真上から見ると黒い目ですが
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とても鮮度が良いので、横から見ると目が光ります。
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この赤海老は身の美味しさもさることながら、ミソが美味しい!
私はいつもコソコソとむき立ての海老身とミソ、ヴァージンオイルとレモンで
つまみ食いをします!
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        (横で仕事をしている右田にはしっかりと目撃されていますが...。)
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これは昨年の夏に、沼津の仲買さんのお店におじゃました時の写真です。

沼津港は複雑な地形から沢山の魚介が採れる豊かな漁場で
ここからその日の午後に新鮮な魚が届くことは
料理人にとってはとてもうれしいことであります。
by ryo_horikawa | 2008-01-17 18:03

増田農園の土

増田さんの土作りはその地と向き合い
必要な事だけを有機肥料で補っていく農法との事。

ですので栽培で一番先に考えているのは、凄く狭い範囲の単位で
この辺りの土にはこの野菜が合うから、
前回はこれが育っていたから今回はこれが合う、という考え方。

野菜に合う条件になる様、無理に肥料で土を変える
大量生産目的の農法ではありません。


増田さんがおっしゃるには、この時期が土作りで一番肝心だそうで、
いろいろな肥料や堆肥の準備に入っていました。

蟹殻や米ぬかなどを多く含んで発酵させた肥料です
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草や野菜、もみ殻などを発酵させた堆肥
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鶏糞などの堆肥でミミズも住んでいます。
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この堆肥は乾くと土になってしまうそうで、しっかり密封していました。
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これらの堆肥を自然の流れで作り、即席では無いしっかりとした土を
時間をかけて作っている増田さん一家には頭が下がります。

こういった努力から生まれる、少量多種生産のこの畑からの野菜は
本当に力のある個性的な味わいであります。
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まかないでは、かぶ菜や人参の葉、カリフラワーの葉などのミネストローネです。
生ハムのクズと玉葱、人参、セロリをしっかり炒めるのがポイントです。
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干した黄人参も使っているのでかなり力強い味になりました。
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ブイヨンなどはいっさい使っていないのに凄く野菜の味が濃くでたので
ちょうど良く水で伸ばしたら大量に出来てしまいました。
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                       一日寝かせてから食べます!
by ryo_horikawa | 2008-01-12 10:46

冬野菜 本番

昨日は新年のご挨拶も兼ねて、増田さんの畑におじゃましてきました。

到着するといくつかある畑のうち、
増田さんの家の裏の畑にはしっかりと霜柱が立っていて、
冬野菜もしっかり味が乗ってきているとの事。
早速、畑を案内していただきました。

まずはハウスから・・・
イタリア冬野菜のチーマ・ディ・ラーパです。
当店では只今パスタ料理“オレキエッテ”に使っています。
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リッボリータに使っている黒キャベツはこんな風に育ちます。
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霜が降りた畑では・・・
中心が真っ赤な紅芯大根
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甘味がのってきたほうれん草
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少し温かい土壌(地中に水の地層がある為)の大きい方の畑では・・・
人参やブロッコリー、小松菜など沢山の野菜が育っています。
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抜きたての人参です。
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c0130206_1742538.jpgこちらも冬が美味しいブロッコリや
カリフラワー類。

写真はブロッコリロマネスキという
さんごしょうカリフラワーとも呼ばれる
イタリア野菜で、
イタリアの市場では良く見かける野菜です。

味はどちらかというと
カリフラワーに似ています。

横に大きく葉が伸びるわりに、少ししか
収穫できないこれら、実は高級品です。




葉にしっかりと包み隠され、少しだけ見える
その横顔は何とも可愛らしいものです。
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紫ブロッコリなどもあります。
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そして茎ブロッコリー、
これは茎が美味しく食べられる、小さなブロッコリたちです。
通常食されるブロッコリの部分は花のつぼみでこの様に咲いていきます。
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咲き乱れているのも発見しました。
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今回も土壌や野菜をとりまく環境についてなど
沢山のお話を聞かせていただきました。

こういったお話を私達が作る料理を通して
お客様とお話できるのが、最近の私の楽しみでもあります。

お店の裏がこの畑だったら、もぎたての野菜の美味しさをもっと
伝えられるのに・・・
帰り道の運転中、“どこでもドア欲しいなぁ”と一瞬本気で考えてしまう程
いろいろな意味で私にとって魅力的な場所であります。
by ryo_horikawa | 2008-01-11 12:29

おせち作り

2008年新しい年が始まりました。
今年も新年は2日からの営業の為、なにかと忙しいです。

それにしても年末は忙しいもので、
特におせち作りは一年の締めくくりの仕事ということもあり精が出ました。
ということで、今回は徹夜でのおせち奮闘記です。


まずは四日前から始めたフォアグラのテリーヌです。
良いガチョウのフォアグラが入りました。
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血管などを掃除して少しのブランデーやパッシートワインで一晩マリネします。
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その後型に詰めて湯煎をはってオーブンへ入れて出来上がりです。



伊勢エビは沼津から取り寄せました。エアーボンベで活きたままの到着です。
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おめでたい時は“これ”という存在感です。
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2つに割って
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ミソはブランデーなどと合わせてパテにします。
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身の方はグリルパンでサッと焼いて
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殻の方からじっくり直火の網焼きにします。
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猪の自家製ハムは3日間マリネしてから6時間位冷燻製にかけます。
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その後真空パックして、70度位のお湯に入れゆっくりと火を入れて出来上がり。
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ヴェネト州の郷土料理“バッカラ・マンテカート”は干しダラとオリーブオイルのペーストです。今回は北海道産の干しダラで作りました。
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丸一日水に漬けて戻したタラを軽く火を入れます。
その後皮と骨を掃除して、ミンチにします。
そしてたっぷりのヴァージンオイルでマンテカート、練り合わせていきます。
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ゴルゴンゾーラチーズのパイはパイ生地を伸ばした後
詰め物をして卵を塗ってオーブンへ
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スプマンテなどと最高です。



林檎の皮から作った自家製天然酵母のライ麦パンです。
おせち料理はワインに良く合うようにと強めに味をつけたものが多いので
自家製パンは少し塩を弱めにしています。

4日間、温度管理をしながらできた酵母でまず元種をつくり、
丸一日赤ワインのセラーの一番上で発酵させ、本種を練って2時間発酵、
その後ガスを抜いてまた2時間発酵。ゆっくりパンに力をつけていきます。
そして丸めて20分ベンチタイム(発酵ではなく生地を休ませる作業)
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その後もう一度丸めて成形します。お尻はしっかり閉じます。
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クープ(切れ目)を入れていざオーブンへ
焼き上がりは本当に良い香りです。
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そして、ズワイガニのキッシュも焼き上がり
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なんとか15品揃い、急いで詰めたら午後一時。
途中の愛妻からの差し入れでパワーアップできたり、
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スタッフもよくやってくれてなんとか完成。
今年一年終わった〜っという達成感。



夜は家族ですき焼きをしました。
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ロゼのスプマンテとバンフィのシラー‘97ですっかり良い気分で一年を終えました。


最後に
2007年は父が他界した事以外はとても良い年でありました。
白トリュフやジビエのコース、このブログなど沢山の反響を頂けました。
振り返れば皆様の温かい笑顔やお言葉で頑張って来れた1年でありました。

2008年も更なる向上を目指し「チーム・フィオッキ」頑張りますので
どうぞよろしくお願い致します。
皆様にとっても良い一年でありますように
AUGURI ANNO NUOVO! CIAO!
by ryo_horikawa | 2008-01-01 14:19

祖師ケ谷大蔵     イタリア料理フィオッキホームページ       http://www.fiocchi-web.com/main.html是非ご覧ください


by ryo_horikawa
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