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夜中の集い

ある夜の0時30分より、当店でワイン会が行われました。

メンバーは当店のスタッフをはじめ、私のイタリア時代からの友人で
下北沢でリストランテを経営されているご夫婦とそのスタッフ、
当店のお客様で三軒茶屋でお仕事をされている美女お二人、
横浜のワイン屋さんY氏、
汐留のリストランテのソムリエの方々などです。
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この会も実は4回目を数えます。

もともとの発案者は下北のご夫婦で
いつもそちらのレストランでお世話になっていましたが、
今回は当店で初の試みとなりました。

今回のテーマは “ピエモンテ州のワイン” それにちなんでピエモンテ料理も作りました。

こういう事は本当に楽しくて力が入ります!

その一部をご紹介・・・
ほとんどがピエモンテ州ヴァルド地方料理になりました。

ジャガ芋とチッチョリ、ローズマリーのフリッタータです。
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ラルド(豚の背脂の生ハム)とすりおろしたジャガ芋のオムレツです。

ズッパ(スープ)は “スッパ・バルブッタ” です。
この地方の方言で複雑な発音なので(日本語には無い)
この書き方で良いのかいつも悩みます・・・
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ズッパのカテゴリーですがスープ状では無く
グリッシーニがしっかりとスープを吸ったラザーニアの様な料理です。
(スタッフが一生懸命に作ったグリッシーニを私がポキポキ折って作ります^^
 ごめんよ。でも君たちこれも勉強だからね・・・)

私の大好きな料理で下北シェフにも喜んで頂けたようです。
一人でかなり食べていたような・・・

そして仔羊の藁包みローストです。
これは当店のスペチャリテでありますが(詳しくはHPのNEWSページをご覧ください)
いつもとは違って、もっと原形に近い素朴なスタイルで作りました。

一日味を馴染ませた仔羊の腕肉の塊を夕方4時に焼いて藁でくるみ、
平均100度位のオーブンに夜0時まで入れっぱなしです。
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元々この料理は農民が朝、畑仕事にいくとき暖炉に置いて行き、
帰ってきた時に美味しく食べられるという、素敵な農家料理です。

温かいところに置いておいた包みを夜中2時頃開けると・・・

柔らかい藁の香りとしっとり柔らかい肉が登場!
'74年のバルバレスコに良く合いました。
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自分で言うのもなんですが、めちゃめちゃ美味しかったです。.....すいません。

他には猪のハムやノヴァーラ風リゾットなどを作りました。

今回飲んだワインはこの7本です。
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すべてピエモンテ州の土着品種で
横浜のY氏が選んでくれた、かなりマイナーな品種も楽しめました。
古酒は'97のドルチェット、'74バルバレスコ、'67バローロでした。
写真は'74バルバレスコの澱です。
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この澱の分だけワインは素晴しい奥深さを表現していました。

今回は他店のソムリエさんやY氏が居てくれたので
かなりワインの背景などで勉強になりました。(Y氏は博士です)

最後は下北のお店で頑張っているスタッフが誕生日だったので
自家製ケーキで皆でお祝い!

いや〜楽しかったです。
古酒が飲めたり、いろいろな人達の意見を聞き、
知識を深める事は本当に素晴しい事です。
この会を発案してくれた下北の友人には本当に感謝です。

是非、これからも長く続けていきたい会であります。


自店であるのと、翌日が定休日と言う事で、
かなり酔っぱらってしまいました・・・
片付けが終わって扉を開けると外はすっかり明るくなっていて
目にしみる朝日の中、
皆ヨロヨロと家路をたどって行ったのでありました。
by ryo_horikawa | 2008-02-29 00:15

仔山羊料理(4) そして、あの時の味・・・

今、料理を作っていてあらためて感じる事があります、
それは・・・
“今の私が作りたい料理とは” です。

イタリア料理の世界に入り、もうすぐ15年の歳月が経ちます。
この間、私は一貫した料理哲学があった訳ではもちろん無く、
昔は食材の存在感を、今とは違った形で表現しようとしていたりと、
今とは少し違った考えを持っている時もあった様に思います。

しかし月日と共に、考え方も固まってくるもので
今は出来る限り、私の知っているイタリアを料理で表現したい、そう思っています。


写真は今回行っている山羊料理です。
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この料理は前にも述べましたが、イタリア修行時代の “あの時の味” がテーマです。

作っている最中は、イタリアに帰った気になるくらい夢中になれます。
そしてその楽しさは思い出にひたるだけのものではなく、
“あの時の味” にするための完成図の質感を
今ある食材と状況でどう組み立てていくか、というところにもあります。

日本人の私が日本の食材を使い、この日本で作るということは
どんなに頑張っても100%の “あの時の味” にはなりません。
しかし、その料理のストーリーや当時教えてもらった調理法の意味を考え、
現況の中で食材と向き合っていき、私の店の私なりの “あの時の味”
になればそれで良いと思っています。

この仔山羊料理は
高品質の食材とイタリアに残る素晴しき郷土料理、
そして当店のスタッフの力で出来上がったものです。
お客様にも大変満足して頂いており、
本当に店を開いて良かったと、一人喜びに浸れる料理なのであります。
by ryo_horikawa | 2008-02-28 10:35

仔山羊料理 (3)

今回の盛合わせ料理の一つである “ストゥッファート・ディ・モントーネ”
小口に切り分けた、仔羊や仔山羊を柔らかく煮込んだ料理です。

イタリアでポピュラーな “ストゥッファート” はもう少し大きなカットですが
リストランテ・フリッポーでは、固いスネ肉なども入る事から
小さめに切り分けていました。

写真は今回使ったスネ肉や首肉などです。
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小さめの小口に切って、ソテーした後ゆっくりと香味野菜と煮込んでいきます。
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ローズマリーやセージ、タイム、マジョラムを加え
肉にかすかな食感が残っているくらいで、出来上がりです。
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ゼラチン質が絡み合いながら、こってりとした質感を
ハーブがキレと深みでまとめあげていく一体感が大切な料理だと思っています。
by ryo_horikawa | 2008-02-25 17:08

仔山羊料理 (2)

今回の仔山羊はリストランテ・フリッポーで
パスクワ(復活祭)の頃に作っていた料理です。

この料理は仕入れの段階から、シェフのワルテル氏に教えてもらいました。

山羊を買いにいくから一緒に行こうと言われ、ついて行くと・・・
レストランがあるトッレ・ペッリチェ村のはずれに
小さな市が出ていて、そこにトラックが2台、
仔山羊と仔羊が何頭か乗っていました。
シェフは羊飼いと話してどれにするかを決めていました。

そして数日後、毛皮の剥ぎ取られた仔山羊が届きました。
何ともイタリアらしい仕入れであり、
そして活きている肉体から目利きする、地場料理の素晴らしさも痛感しました。

今回は当時の料理をなるべく忠実に再現する事をテーマにしています。

盛り合せの内容は・・・
まずはフリッポーの定番料理 “仔山羊での藁包みロースト” と
“ストゥッファート・ディ・モントーネ” そして
“プルスティネンガ” の盛り合せです。

どれもこの地の郷土料理であり、そして山羊を一頭丸ごと余す事なく使う、
何ともイタリアらしい素敵な料理です。

その中でも個性的なのはなんと言っても“プルスティネンガ”
これは仔山羊または仔羊の内蔵を煮込んでその血でつなぐ料理。

昔、農民は正肉を売って自分たちは内蔵を食べていたという農家料理。
日持ちがして栄養満点、そのうえワインにも良く合うまさに土地の知恵料理です。

作り方を少しご紹介・・・
内臓類(レバー、ハツ、タン、キドニー)を小口に切り、
同じく小口に切った野菜と数種のスパイス、赤ワインで2日間つけ込みます。
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その後液体と肉類に濾し分け肉類はソテーして、
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マリネしていたワインで煮込んでいきます。
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最後に血を混ぜ、火が通ったら味を整えて出来上がり。
残念ながら山羊の血は出荷が出来ないと言われ、ここでは豚の血を使いました。
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試食すると、
やはりポレンタとの相性が良く、スパイスもバランス良く仕上がりました。

煮込みで素朴な料理ですが、
地場料理の基本である、鮮度の良い食材あって始まる料理だということを
再認識させてくれる美味しさでありありました。

とにかく今回はフリッポーにいたあの時にかなり近い肉質が入った事もあり、
あの時の味にこだわりたいと思っています!

 *料金などはホームページのNEWSページをご覧ください
by ryo_horikawa | 2008-02-24 12:55

仔山羊が入荷しました (1)

昔いたスタッフにヤマヒツジと読んだ若いヤツがいましたが...
あえて、仔ヤギです。^^

郷土料理、盛合せの為の仔山羊が北海道より昨日届きました。
頭の無い状態で9キロの仔山羊です。
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解体は猪の時と同様にセコンドの右田に。(解体王子?)
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まず見て驚いたのは内蔵の鮮度が抜群であった事、
これなら盛合せ料理のプルスティネンガもOK!

写真の手前の大きいのがレバー、中央が心臓、右が舌、中央の左が腎臓、
左は胃袋(このトリッパは別料理に使用)です。
少し焼いて食べてみると、クセ無く甘ーい味で最高に美味!
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もちろん身質も良好!胸が高鳴ります。
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ピエモンテ州ヴァルド地方のリストランテ・フリッポーで
働いていたときに作っていた料理をご用意します。

ここから料理を仕込んでいきます!
by ryo_horikawa | 2008-02-23 07:51

今期最後?のジビエ

春の訪れが待ち遠しい、寒さが厳しい今年の冬。
ジビエの便りもそろそろ終わろうとしています。

只今入荷しているのは、鹿児島からの尾長鴨です。
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この鴨、非常に美味しいです。
というのも、通常の散弾銃の猟ではなく網猟なので、身がきれいな状態のままという事と
渡ってきた鴨をしばらく沼に米をまいて居着かせて
少し太ったところで捕えるため、ほんのり脂の旨味もあります。
(もちろん野生肉ならではの、繊細で力強い赤身の味と香りが特徴的です)


仕立ては・・・

腿肉などはしっかりロースト、胸肉はゆっくりレアに焼いて
この内蔵を使ったソースにしています。

ヴェネト州、定番料理のソース・ペヴェラーダでも良いのですが
この寒い時期はフルボディのワインを楽しみたい方も多いので
少しニュアンスを変えたソースで仕立てています。

付け合わせは、スペイン産のレンズ豆を長葱と炊いたものを添えて
相性バッチリです。


切り分けて盛りつける時に立ち上がる、天然ならではの何とも良い香りは
お客様にお出しせず、いきなり自分でワインと楽しみたくなるほどです。
by ryo_horikawa | 2008-02-14 09:06

ゴッコ

土曜は市場へ行ってきました。

この時期の朝の冷え込みのせいか
連休前の仕入れ時にもかかわらず、市場は意外にも静かでした。

しかしこんな寒い時期だからこそ出会える食材もあります。
“ゴッコ”という魚を買ってみました。
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見た目はフグの様なこの魚はホウテイウオとも呼ばれ
函館など南北海道で良く捕れる魚です。

冬場に産卵のため、沿岸近くにくることから漁が盛んになるそうで
メスは卵をたくさん持っています。
皮や身はゼラチン質の塊の様な魚で
特に皮はアンコウよりも美味しいかもしれない!というヤツです。

早速、店に帰り捌きました。
形やぬめりがアンコウに似ているので、吊るして包丁を入れていきます。

産卵まじかの大きな卵がでてきました。
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皮をはぐと・・・
あんなに丸々と太っていたのに、かなり細身の体型です(^^;)
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ゼラチン質が並外れて多いのでテリーヌにしました。
美味しく出来たのでオリーヴ、ケーパー、バジリコの酸味のあるソースを添えて
アミューズの一品にしました。
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          日本の冬の海、まだまだ色々な発見がありそうです。
by ryo_horikawa | 2008-02-11 01:35

イタリアワインガイドブック

2008年版 “ガンベロ・ロッソ”
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イタリアワイン最高峰ガイドブックです。
イタリア全土のワインをグラス(ビッキエーレと言います)の数で評価しています。

最高で3つのグラス、トレ・ビッキエーリで
この名誉に輝いたワインは大きな商業ラインにも乗るので
各方面から大変注目されている本です。

トレ・ビッキエーリのワインはハイクオリティーの素晴らしいワイン。

しかし、当店のワインセレクションでは
ガイドブックの評価はあまり気にしていません。

高い評価のワインはあまりにも造り込まれていてる場合があり、
飲み頃にもよりますが、必ずしも食事との相性がいいとは限らないからです。

私の料理は郷土料理が基本となっており、
それに合うワインは
その地方性が色濃く表現されていることが大切な要素となります。

なかには、ガイドブックの評価に左右されるのを嫌い、
素晴しいワインなのにあえて評価本に載せない小さなワイン蔵もあり、
こういった熱きハートを感じるワインとの出会いは、
本などから得る情報よりも、人と人の繋がりから生まれます。

日頃ワインを選ぶ時はガイドブックの評価よりも
そのワインに精通している人の話に耳を傾け
“飲んでみなければ解らない” をモットーにセレクトしています。

とまで言いながら、久しぶりにワインガイドブックを買いました。

なぜなら今年はこのガンベロ・ロッソ、20周年で
過去の歴代トレ・ビッキエーリワインと
最高で三ツ星の生産者ランキングが付いた、記念本付きだからです。
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イタリア時代の思い出である、
かつて訪問したワイナリーの評価や未来への期待という
少し仕事からは離れた視点でガンベロロッソを眺めていると、
これからのイタリアワインにまた夢が膨らみます。

AUGURI GAMBERO ROSSO!!
by ryo_horikawa | 2008-02-01 00:35

祖師ケ谷大蔵     イタリア料理フィオッキホームページ       http://www.fiocchi-web.com/main.html是非ご覧ください


by ryo_horikawa
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