4月のおまかせメニュー
2009年 04月 07日
と言うより、四季を意識しなければ
いつでも使っていたい食材です。
今回は以前使った赤鶏の若鶏である、雛鳥です。
今まで、冬のジビエの鹿などを使い
先月はアグー豚の脂身の旨味を楽しんで頂いたこのコースでした。
今回は気候も一気に春めいてきた事で
優しいタッチの中にコクと旨味のある食材を考えたところ
鶏とヴィンサント(中部イタリアの甘口ワイン)の組み合わせが
頭にポンッと浮かんできました。
この時期はまだ少しコッテリとしたソースも楽しみたいところで
それとマッチする鶏といえばやっぱり二宮さんの鶏。
早速を連絡をして相談してみたところ、雛鳥を試してみたくなりました。

一般的な雛鳥でも香りと食感が良いものですが
餌にこだわる二宮さん、通常の雛鳥よりも大きさは同じでも
生育日数も長いため、この雛鳥は旨味もたっぷりです。
只今、スペシャルのコースでは
胸肉をバターでこんがりしっとりソテーして
フォアグラのソテーを添えています。

フォアグラもこの鶏に合うよう
繊細な味わいのガチョウの良質な物を合わせています。
マイルドで香り高い胸肉をフォアグラのコクで楽しんで頂く一皿で、
ヴィンサントのほんのり甘いソースが良く合います。
今回のこの料理は複数の良質な食材が重なってまとまる
イタリアのトラットリアというよりリストランテ的な一皿です。
合わせるワインが意外と難しい料理ですが
甘みを残して奇麗に熟成したワインが良く合います。
この季節ならではの香りをコースの中で楽しんで頂き
最後はどこかノーブルな料理でまとめた、そんなコースとなりました。
春に咲く花や、爽やかなそよ風を感じる様な心地良さを
お皿の上やコースの流れで感じて頂けたら幸いです。