6月のおまかせメニュー (1)
2009年 06月 06日
そんな梅雨入り直前を感じさせる曇り空が多いこのごろ
6月に入り、当店のメニューもいろいろと
初夏のスタイルに衣替えです。
とは言っても、まだコースの最後には赤ワインが飲みたいこの季節、
おまかせコースのメイン料理の一皿前の料理は
しっかり味の“鶉のリゾット”をご用意しております。
フランス、ブルターニュ地方から届く鮮度の良い鶉を使います。
最近は世界の各都市で、日本の新鮮な魚が手に入るそうですが、
ヨーロッパからも、この日本に
ブルターニュ産の驚くほど鮮度が良いものが手に入ります。
こういう鮮度の良い鶉は、良いフォン(スープ)が作れます。
このフォンで腿肉を煮込み
その煮込みで大麦を加えてリゾットを作って行きます。
別のフライパンで胸肉をソテーして、
仕上げにバルサミコ酢とサマートリュを添えて
出来上がりです。
胸肉は加熱のストレスでパサ着きやすいので
この様に二つの調理法に分け
1つの料理へと完成させて行きます。
では、一言でその完成とは何か・・・
この料理の場合は、私が11年前(かな?)
イタリア、パルマのレストランで食べた
“鶉と大麦のリゾット”がモチーフです。
ホッペタが落ちる程美味しいかったー!・・・
という訳では実は無かったのですが、そのお皿には
当時の私には、とてもイタリアの味がしました。
そして何故かとても印象に残る料理でした。
たぶんそこには “美味しさ” の他に
その一皿に様々な背景やストーリーがあったからなのだと思います。
今回の料理は、その料理がモチーフであり、
同じ質感を目指しつつ、鶉とリゾットという二つの良さを引き出したく
丁寧に組み立てる作業をし、その料理の性格や方向性が
しっかり表現され、結果、 “美味しい” というのが私の中での完成形です。
サマートリュフとの相性も良い料理、
北イタリアの赤ワインが良く合います^^