仕込み、仕込み、仕込み、そしてADESSO nu,7 道具
2010年 12月 30日
今年は、伊賀のビーナスが早くから天然酵母パンに着手してくれていたり
右田と、“とう” の息子の佐々木氏の
ツートップ体制で頑張ってくれていたりと
私がこうやってPCのキーボードを
不慣れにカタカタできる程、今のところ順調です。
昨夜は一人調理場で
フォアグラのテリーヌをコンベクションオーブンに入れている間に
今年最後の包丁研ぎをしました。
夜中に一人だったせいか、
二十歳そこそこの小僧だった時に
先輩方に包丁の研ぎ方を教わった頃の事を思い出しました。
あの頃は良く怒られたな〜
でもそれは、僕の中の僕だけのドラマなだけ。
今はスタッフにそれを押し付けようとは思いません。
技術を習得する事は修行であり、厳しいものです。
叱られる事も大事です。
私自身は叱って下さった諸先輩方に感謝しています。
でも最近思う事は、
自分に厳しくある仕事をしてこそ
技術は学べると思っています。
いわゆる、職場は“気付きの場”であるべきだと思うこの頃です。
フィオッキでの指導は
そんなこんなで今に至った私が感じる “今の言葉” と
皆の気付きによって生まれるものでありたいと思っています。
私が小僧だった頃、良く「道具を大切にしろ!」
という声が調理場に響いていました。
今の私の持論はどんなに頑張っても、
最終的に道具が無ければ良い物は作れないと思っています。
我々の仕事は、レシピ通りに1回だけ作る事ではなく、
今日も明日も明後日も、毎日決められた時間内に
同じ質感の物を、常に作り続けなければなりません。
私はいつも、
「これができるかどうかなんだ」
「 凄いレシピは、この時代いくらでも手に入る。
でも、これができるかがレストランのコックの仕事であり、価値なんだ。」
「これには道具無くしてあり得ないんだ。」
とウダウダ言うのが、 “僕の今の言葉” です。
物で言えば道具は、僕ら自分自身を支えてくれる
一番に身近な大切な物です。
こういった大切な事は
プレイヤーが本質的に気付けるように
伝えて行かなければなりません。
(増田農園の治子さんは、実際ご自分で “機械の神様” というのを作り
毎年お供えしているそうです。←そういうのって、なんか格好良い。。。)
私にとっての包丁研ぎは、
ちょっぴりノスタルジーな “心の研ぎ” であるADESSOです。