ADESSO nu,8 人

レストラン業はいわゆる客商売であります。

それは人が人に物を売る仕事です。

そして、その人と人の交差点には大小さまざまな喜怒哀楽が存在します。

我々の飲食業はその色が濃く、またレストランはその中でも
お客様との共有時間が長く、毎日いろいろな感情がその空間に生まれています。

レストランとはその感情のもとに成り立っているように思います。

料理を作る我々の感情、それを食べてくださるゲストの感情、
時間を作り上げるサービスマンの感情、それを受けるゲスト感情。

その感情は大チェーン店のお店と、我々個人店では種類が大きく異なります。

我々は常に前向きに希望に満ちた感情を胸に抱いていなければ
人に感動は提供できません。

それなくしてお客様にも楽しい、美味しい、満足、
という気持ちにはなって頂けません。

ゲストの楽しいという感情にはレストランの場合、
美味しさの感動や驚きが多かれ少なかれ必要となります。

そしてそれが多ければ多いほど、大きければ大きいほど良いレストランなのでしょう。




今、私の好きなワインとは、その固有の品種、テロワール、
風土を派手なお化粧をせずに
自然な姿で表現され、そこに優美さを兼ね備えたものです。

レストランもワインと同じで、その固有の個性を
より楽しく心地よくをモットーに表現して行くものであると感じています。


私一人で料理をして、ワインをサーブしてコースを召し上がって頂くには
一日一組のお客様が限界です。
今フィオッキは今のスタッフが居てこその、この席数です。

私は人が好きです。
正直言って、人が気さくに楽しめるトラットリアや(四谷三丁目ラ・ヴィータのような)
ワインバーの経営も憧れます。

でも今それはできません。

何故なら漕ぎだした自分の船に、いろいろな人が乗り込んできてくれていて
私の感性を軸に船の乗員の思いと沢山のお客様の感情によって
その船がドンドンたくましくなっていて
皆の航海が大きくなってきています。
僕はそんな船の船頭だから今は余計な事はできないのです。


レストランは人が作る物です。

もう少し言えば、人の労力というエネルギーと心が作り出す固有の空間です。

同じもは二つとして存在しないのです。


僕の船に賛同して下さっている全ての方々に今年一年、そして今まで、
感謝いたすと共に、可能性ある未来に向かって
僕の周りの人と共に来年も邁進してまいります!
2011年、初志貫徹の年にするとともに
レストランを経営するにあたり、ADESSO!今思う一番大切な物、
ロマンを胸に。。。



一年間、当ブログにお付き合いありがとうございました。


2011年が皆様にとって素敵な年でありますように・・・





Fiocchi 堀川亮  大晦日の朝
by ryo_horikawa | 2010-12-31 15:40

祖師ケ谷大蔵     イタリア料理フィオッキホームページ       http://www.fiocchi-web.com/main.html是非ご覧ください


by ryo_horikawa