A DA CODA ワイン(3)ワインリスト
2011年 02月 25日
レストランのワインとは?
ちょっと漠然とした問いですが、
レストランのワインに対する考えはその店それぞれで面白いものです。
フィオッキのワインリストは
この10年間でちょくちょく変化しています。
今の僕のオンリストするワインの考えは、
ブランドという、名前で飲むワインでは無く
名前を覚えてあげるように
寄り添うように飲めるワインを中心にしています。
一時期はどんな方にも楽しんで頂ける
ワインリストを作ろうと努力していました。
ブランド力の強いニュアンスのワインもありましたし
樽香の強いワインもそういったのがお好みの方がいればと
少し置いていました。
今は基本的に料理に合うワイン、
いわゆる、お化粧が派手でなく
イタリアのその土地土地の風土を感じるワインが多いです。
ただ、せっかくレストランで飲むワインです。
お化粧が強くない、といっても
葡萄本来の力とそれを引き出した優美さは大切な要素です。
イタリア料理のレストランで飲むワインは
食事に合いながらもワインそのものが
葡萄品種とそのテロワール(大地)の個性がしっかり感じられながら
エレガントであるべき、と僕は思っています。
云うなれば、”葡萄農家の優美なワイン” です。
しかし、、、
この農家のワイン、いわゆる商業ワインではないナチュラルなワインは
そのナチュラルさ故に ”売るもの” として
いろいろなリスクがあり
そのリスクをいろいろクリアして行かなければ
エンドユーザーであるお客様のそのグラスから、
イタリアの農家さんの葡萄畑は浮かび上がりません。
こういった自然に寄り添った形で出来上がったワインの管理はとてもナーバス。
ビオワインとは、、、管理とは、、、
またまた夜が明けてしまうので
今夜もこの辺でお開きにして、
この話は次回にまた、あーだーこーだ書いてゆきますね。
文頭の画像のワインは、ピエモンテの5世代に渡る古典派ワイナリー、
カヴァロットの“バローロ ヴィニョーロ リゼルヴァ 2003”
スタッフに飲ませたいので
画像撮りに一杯拝借。
大樽でゆっくりと熟成されたこのワインは
葡萄本来の美しい旨味がまろやかにギッシリと詰まっています。
皆、「美味しい〜〜〜」
の一言^^
ここのワイナリーのお爺さんは、高級ワインを作るのに
葡萄の実を若いうちに切り落とすグリンハーヴェストを嫌うそうです。
「天からの恵みである果実を無駄にすんじゃなーい!」
とのこと。
こういう頑固親父スピリッツ、僕は大好きです。
(実際、古木から作られるこのワインは、元々それが故に
一本の木からほんの少ししか葡萄が実らず
殆どグリーンハーヴェストの必要はないそう)
当主が語る
「世界中の万人に受け入れられるのがバローロの役割ではない。
バローロはまず、バローロらしくあるべき」
その言葉からは
ワインの為にある様なバローロの丘の素晴らしき大地と風、
そして、何代にも渡って受け継がれて来た伝統、
葡萄の個性を大事にしそれをただ愛し続ける、
農家としてのフィロソフィーを感じさせられます。
書いてるオレ、、、今日は酒に酔ったってより、
ワインに酔ったな。。。