駄目な奴なんていない
2012年 04月 24日
あだ名は“ハッチ” 。
いつも泣きべそかいてたので、僕がミツバチ・ハッチからそう名付けました。
彼がフィオッキにいたのは、もうかれこれ10年前です。
実は彼は、あまり良い辞め方をしませんでした。
3年前のとある雨の日、僕は新宿の地下のお店でワインの試飲会に参加していました。
試飲を終えて階段を上り外に出ると、一人の青年が立っていて
僕に話しかけて来ました。
「堀川シェフ、ご無沙汰しております。(ぺこり)。」
僕
「んっ?・・・
おーーーっ! ハッチじゃねーかあ!!! 元気か?」
ハッチ
「はい!」
僕
「なんだ、待ってたのかオレの事」
ハッチ
「あの時はご迷惑おおかして、すみませんでした。(ぺこり)」
僕
「気にすんなよ〜そんな事(笑)」
ハッチ
「あの・・・こんどお食事に行っても良いでしょうか。。。」
僕
「あったりめーだろ!待ってるぞー!頑張れよー!」
そう言って別れました。
本人はずっと気にしていたんですね。
僕はいつの間にかそんな事は頭の片隅の何処かにしまい込み、忘れかけていたのに。
彼が出て行った事は仕方が無い事だし、僕のせいでもありました。
そんなに気にすることないのに、って思っても
当事者はすっと気にしている、
ちょっとしたお荷物を抱えてしまうことってありますよね。
僕としては、そんな荷物は持たず、身軽に未来に羽ばたいて欲しい。
フィオッキで過ごした事が、
少しでもその人の肥やしになっていればと思うのですが。。。
なかなか難しい事で、3年前のあの時のハッチのように勇気を持って来てくれれば
その荷物は小さく軽い物になるんですが。。。
一昨日のハッチはすっかり良い青年になっていました。
手みやげを持ってスーツに身を包み
そして、それはそれは美しい奥様を連れて。
月日は流れている物ですね。
ハッチの希望もあり、朝まで飲み語りました。
ハッチ、あの日、勇気をもって僕を待っていてくれてありがとうな。
しかしハッチ・・・
あの雨の日からフィオッキに来店するまで3年もかかるとは
なんともオマエらしいな(笑)
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