駄目な奴なんていない

一昨日のディナーに元スタッフが食事に来てくれました。

あだ名は“ハッチ” 。

いつも泣きべそかいてたので、僕がミツバチ・ハッチからそう名付けました。


彼がフィオッキにいたのは、もうかれこれ10年前です。

実は彼は、あまり良い辞め方をしませんでした。









3年前のとある雨の日、僕は新宿の地下のお店でワインの試飲会に参加していました。

試飲を終えて階段を上り外に出ると、一人の青年が立っていて
僕に話しかけて来ました。

「堀川シェフ、ご無沙汰しております。(ぺこり)。」



「んっ?・・・  
おーーーっ! ハッチじゃねーかあ!!! 元気か?」


ハッチ
「はい!」



「なんだ、待ってたのかオレの事」


ハッチ
「あの時はご迷惑おおかして、すみませんでした。(ぺこり)」



「気にすんなよ〜そんな事(笑)」


ハッチ
「あの・・・こんどお食事に行っても良いでしょうか。。。」



「あったりめーだろ!待ってるぞー!頑張れよー!」


そう言って別れました。




本人はずっと気にしていたんですね。
僕はいつの間にかそんな事は頭の片隅の何処かにしまい込み、忘れかけていたのに。


彼が出て行った事は仕方が無い事だし、僕のせいでもありました。
そんなに気にすることないのに、って思っても
当事者はすっと気にしている、
ちょっとしたお荷物を抱えてしまうことってありますよね。

僕としては、そんな荷物は持たず、身軽に未来に羽ばたいて欲しい。
フィオッキで過ごした事が、
少しでもその人の肥やしになっていればと思うのですが。。。

なかなか難しい事で、3年前のあの時のハッチのように勇気を持って来てくれれば
その荷物は小さく軽い物になるんですが。。。



一昨日のハッチはすっかり良い青年になっていました。
手みやげを持ってスーツに身を包み
そして、それはそれは美しい奥様を連れて。
月日は流れている物ですね。

ハッチの希望もあり、朝まで飲み語りました。



ハッチ、あの日、勇気をもって僕を待っていてくれてありがとうな。




しかしハッチ・・・

あの雨の日からフィオッキに来店するまで3年もかかるとは
なんともオマエらしいな(笑)











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by ryo_horikawa | 2012-04-24 18:42 | フィオッキあれこれ

祖師ケ谷大蔵     イタリア料理フィオッキホームページ       http://www.fiocchi-web.com/main.html是非ご覧ください


by ryo_horikawa