イタリア研修旅行記(リストランテ・フリッポーとペッリチェ渓谷)

フィオッキの料理の核となるお店、
リストランテ・フリッポーにスタッフ皆を連れて行きたい。

今回は幸せにも、そんな思いが現実となりました。





フリッポーというレストランはトリノから電車で約2時間の
フランス国境にほど近い山岳地帯の麓にあります。

僕は1998年にこの地に立ち、約1年間このレストランで修行しました。

僕がここに来た時、レストランは改装したてで
ミシュランでも二つ星となり、結構忙しく、とても勉強になりました。
綺麗に手入れをされた庭園。素敵なリストランテの空間。
そういったものも含めて。

それもこれも、全てはワルテル・エイナルド氏のお陰に他ならないのですが。。。


ワルテルシェフは、とにかくこの地の食材にこだわっていました。
チーズやサラミは勿論、野菜に肉、
そして店の横を流れるペッリチェ川の渓谷で育つ淡水魚に、山から採れるポルチーニ茸。

僕は初めて見るこの地にしかない食材にかなり刺激を受けました。
そしてその食材を活かすべく調理法。
どれもが新鮮な体験でした。

本当に勉強になった1年間で、
「自分の店が持てたら、日本のおxX客様に必ずここの料理を伝えよう」
そう考えていました。

その頃の僕はイタリアに来て1年が経っていて
調理場でのイタリア語は周りも気を使ってくれるお陰で
ある程度は不自由ない状況でしたが、ちょっと難しい話になると良く分からない。
修業時代中に良くワルテルシェフから
「ここは変わった歴史がある。だから料理も他のイタリアと少し違うんだよ。」
それは、メニューにもヴァルデーゼ(ヴァルド派の、や、ヴァルド派風、という意味)
という言葉が頻繁に載っていた事からも分かり
キリスト教の特別な一派、という事も理解はしていましたが
それ以上の事は分かりませんでした。

フリッポーのワルテルシェフは正にこの一派の子孫であり、
この地のヴァルド派の歴史を、料理というツール(レストランというツール)で
今に残すシェフでした。

僕はシェフのこの生き様に惚れました。





しかし、その歴史を詳しく知ったのは、日本に帰り
フィオッキという自分の店を始めた後の事でした。

フィオッキにお客様としていらっしゃって頂いた
東京大学教授の西川杉子先生に先生自身が研究のもと執筆された
“ヴァルド派の谷へ” という本を頂き、読んでからです。

そこには、僕が過ごした、トッレペッリチェの村や
その上のボッビオペッリチェにどうしてヴァルデーゼの学校や教会があったのか。
僕が登った山に未だに残された、彼らが隠れ住んでいた家の事など
僕の頭の中の、点と点を線で繋ぐ話の本であり、本当に貴重な本でした。

その歴史は1800年代に遡ります。
ローマ教会から迫害され、幾度と重なる虐殺から山々を渡り逃げ隠れ住んで残ったこの一派。
悲しい過去です。
(コレについては以前の当ブログ記事にありますので、ご興味ある方はお読み下さい)


ヴァルド派の歴史を知る事ができ、僕はそこでの実体験があり、
それは僕の料理の大きな核となりました。

でも、僕だけでは駄目なんです。
料理を作る人。それを運びお客様と話す人。
皆が知らなければ駄目だと日頃から意識して来ました。


長くなりましたが、この地の旅行記、また、食事の記事は
そんな背景をご理解頂いて上でご観覧頂ければという思いから綴ってみました。








朝食をフリッポーで頂いた面々は、
トッレ・ペッリチェから車で20分ほど駆け上った山の中腹の村ボッビオで
大自然とヴァルド派の教会、サラミ屋さんなどを楽しみました。

ペッリチェ川で写真を撮ったりサラミ屋さんで解体前の肉まで見せてもらったり
帰りには、道の横に牛たちが大きな鈴をぶら下げて、
それはそれは自由に草を食べているのを見たり。

フリッポーの料理にかかせない場所に皆で行けました。

ここでの皆の活き活きした姿を見た時に思いました。
「あ〜オレ、皆をイタリアに連れて来たんじゃなくて、
日頃の皆の頑張りによってオレが皆に連れて来てもらったんだなぁ〜」と。


またこの地に来れた事に、
山から下りる澄んだ空気のせいか心がとっても軽くなりました。









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by ryo_horikawa | 2012-10-09 21:57

祖師ケ谷大蔵     イタリア料理フィオッキホームページ       http://www.fiocchi-web.com/main.html是非ご覧ください


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