アニョロッティはピエモンテ州の詰め物パスタとして有名ですね。
ヴァルド料理というのか、ヴァルドの地の料理としてもアニョロッティはありまして
ジュンカという山羊のリコッタがあり(大きくどっしりとしたそれは美味しいリコッタです)オルティーカという野草を詰めてタイムバターで仕上げます。
今回、フィオッキではまず岡山県のルーラルカプリ農場の山羊のフロマージュブランとリコッタ、秋田の山菜のシドケを詰めます。
シドケはバターとブロードで軽く煮ておきまして
そこに茹で上がったアニョロッティ(ラヴィオリ)を投入。
少しタイムを加え、シドケとともに盛り付けます。
上から宮城の小野ちゃんが摘んでくれたクリーピングタイムの花を。
そのほとんどが皆んな顔がわかる人たちの手によって生まれた一皿です。
僕にとってはとっても意味深い料理です。
ヴァルデーゼコース、リニューアルです。
僕の料理は唯一無二ではありません。
唯一有二「ゆいつうに」と呼びましょうか。
ヴァルド派に伝わるあの料理を、僕のフィルターに通して表現したい。
あの地に行けばある料理。いや、ワルテルシェフの料理。その弟子たちの料理。
でも僕なりの表現で。
あくまでも今の僕。また変わっていくだろうし、通過点の料理。
唯一無二の料理なんてなかなか作れる器じゃないけれど
僕の中にある思い出を、僕ならではの表現で。
そんな感じのコースに仕上がりつつあります。
唯一有二のコース、どうぞお楽しみくださいませ。