語りかけてくるワイン
2008年 01月 26日
バローロやバルバレスコ、ソアヴェなどのように知名度はありませんが、
実は、イタリアワインの中ではかなり上位の生産量があります。
今回はオルトレポー・パヴェーゼの“ファティーラ”というワインです。
‘00年のヴィンテージでこなれてきており、とてもエレガントで力強く滑らか。
素直に美味しいと思えるワインです。
しかし何より感動したのは土着品種のボナルダ100%で、
イタリアワインの良さである、素朴で自然な味の延長線にあることです。
早速、和牛ホホ肉の煮込みと合わせてみました。
野菜の甘味と豊かな果実味、柔らかい肉の食感と滑らかな口当たり、
ホホ肉のゼラチン質を切ってくれる酸とアルコール、最高でした。良く合いました。
このワインとの出会いは・・・
今回の定休日に
当店の仕入れ先の1つである横浜のエノテカ(酒屋)へ行ってきました。
ここの店主とはいつもコミニュケーションをとっているので、知ってはいましたが
かなりイタリアワインに精通している人物です。
小さな店の2階には、所狭しと綺麗にイタリアワインが積まれていて
部屋そのもの自体がワインセラー。
私にとっては涙が出る程の素敵空間でした。
各店舗より注文が入ると、このワインの山から彼自身が荷作りするとの事で
確かにイタリアワインに詳しい訳であります。
彼はオルトレポー・パヴェーゼのインポートもしており
このワインに対する熱いハートは彼が作る資料にも現れています。
オルトレポーの地図。ミラノから車を一時間ほど南へ走らせた所です。
1階にはイタリアを感じるなんとも可愛らしいショップがあり、
ここでは立ち飲みが出来るようになっています。
そこでこのワインを試飲させて頂いた訳です。
グラスを傾けている時に彼は
“小さなワイナリーで畑仕事を一生懸命している作り手がとても面白い”
と熱く語ってくれました。
確かに大きなワイナリーは畑、醸造、マーケティングと
沢山のカテゴリーで仕事が分かれていて
一個人の哲学がワインや言葉を通して伝わりにくいものです。
彼の熱いパッションがイタリアの素晴しき風土、
小さなワイナリーの哲学などをグラスから立ち上がらせ
私の胸に強く伝わってきました。
いろいろ試飲させて頂いた後
近くのワインレストランで(彼はレストランも営んでいた!)
ワインと食事を楽しませて頂きました。
とても素敵な一日を過ごす事ができ、新たに甦る熱き想いを胸に
雪解けの横浜の夜を後にしました。