仔山羊料理(4) そして、あの時の味・・・

今、料理を作っていてあらためて感じる事があります、
それは・・・
“今の私が作りたい料理とは” です。

イタリア料理の世界に入り、もうすぐ15年の歳月が経ちます。
この間、私は一貫した料理哲学があった訳ではもちろん無く、
昔は食材の存在感を、今とは違った形で表現しようとしていたりと、
今とは少し違った考えを持っている時もあった様に思います。

しかし月日と共に、考え方も固まってくるもので
今は出来る限り、私の知っているイタリアを料理で表現したい、そう思っています。


写真は今回行っている山羊料理です。
仔山羊料理(4) そして、あの時の味・・・_c0130206_1025412.jpg

この料理は前にも述べましたが、イタリア修行時代の “あの時の味” がテーマです。

作っている最中は、イタリアに帰った気になるくらい夢中になれます。
そしてその楽しさは思い出にひたるだけのものではなく、
“あの時の味” にするための完成図の質感を
今ある食材と状況でどう組み立てていくか、というところにもあります。

日本人の私が日本の食材を使い、この日本で作るということは
どんなに頑張っても100%の “あの時の味” にはなりません。
しかし、その料理のストーリーや当時教えてもらった調理法の意味を考え、
現況の中で食材と向き合っていき、私の店の私なりの “あの時の味”
になればそれで良いと思っています。

この仔山羊料理は
高品質の食材とイタリアに残る素晴しき郷土料理、
そして当店のスタッフの力で出来上がったものです。
お客様にも大変満足して頂いており、
本当に店を開いて良かったと、一人喜びに浸れる料理なのであります。
by ryo_horikawa | 2008-02-28 10:35

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by ryo_horikawa