2008 春 今月のおまかせメニュー

料理を作る上でも楽しい季節になりました。とにかく野菜が美味しい!

四季に料理のテーマを一言で付けるなら、

夏は “キレ” 秋は “深み” 冬は “コク” そして春は “香り”です。

春の食材、特に野菜と触れ合うと、
冬の間ジッとしていた大地が日の光を浴びた若芽に
一気に力を与え、強く、それでいて爽やかな香りを生み出している、
そんな気がします。


今回のおまかせコースでは・・・
まず最初にアミューズで春を感じて頂ける物を、
冷前菜ではその日の美味しいお刺身のお魚でのカルパッチョ。

そして温前菜では
「本マスの網脂巻きローストとタンポポのサラダ サルサ・バネッで」
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これはピエモンテ州の代表的料理でフリッポーでも作っていました。

海に面していない州の魚料理はやはり川魚で
川の横のタンポポと庭の鶏が朝産んだ卵でサラダにする、
オイルはオリーヴが少ないこの地域ならではのクルミオイル!
魚には豚の網脂でしっとり感をだす。
まさに山の魚料理です。

(鱒に網脂を巻く事について、当時私がシェフのワルテル氏に
「これも郷土的な技法?」 と訪ねたところ
「僕のオリジナル!」 とウインクしながら言っていました)

肝心の本鱒は函館で採れるもので、サーモンより脂が少なく
香り、味はしっかりしていて毎年使う、お気に入りな食材です。


パスタでは春の香りの4番バッター山菜と漁が始まった桜海老です。
「桜海老と山菜のタリオリーニ」
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桜海老と相性の良い卵をふんだんに使ったタリオリーニ、
今回はいつものタリオリーニと少し食感を変えています。
本鱒の前菜とこの桜海老のパスタはロゼも良く合います。
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パスタ二皿目は毎年恒例の
「新牛蒡のフィオッキ 鴨の燻製と白髪葱、バルサミコ酢のアクセント」です。
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二つのパスタ料理とも、食材の組み合わせでは和と伊のコラボレーションですが
いざ口の中に入るとイタリアになります!


セコンドピアットは
「イベリコ豚ホホ肉とホワイトアスパラガス、筍の炭火ロースト」です。
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イベリコ豚の頰肉、脂はほどほどでゼラチン質はしっかりと、
そして頬なのにそれほど固くなく美味しい!

筍の食感とも高相性、鉄分もあるので赤ワインでも楽しめます。


デザートでは黒胡麻とマスカルポーネチーズのセミフレッド 苺の付け合わせ
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こくのあるマスカルポーネのムースをテリーヌ型で凍らせたデザートで
苺のソースとシャーベット、薄い焼き菓子を添えた当店の春の定番デザートです。



今回のコースを考えるにあたり、
お食事してくださる方々が、お互いに新しい季節の訪れを感じ、
ワインと共にそれを共有しながら楽しい時間を過ごして頂けたら・・・
そんな想いを込めた今回のメニューです。
by ryo_horikawa | 2008-04-08 09:32

祖師ケ谷大蔵     イタリア料理フィオッキホームページ       http://www.fiocchi-web.com/main.html是非ご覧ください


by ryo_horikawa