2008 春 今月のおまかせメニュー
2008年 04月 08日
四季に料理のテーマを一言で付けるなら、
夏は “キレ” 秋は “深み” 冬は “コク” そして春は “香り”です。
春の食材、特に野菜と触れ合うと、
冬の間ジッとしていた大地が日の光を浴びた若芽に
一気に力を与え、強く、それでいて爽やかな香りを生み出している、
そんな気がします。
今回のおまかせコースでは・・・
まず最初にアミューズで春を感じて頂ける物を、
冷前菜ではその日の美味しいお刺身のお魚でのカルパッチョ。
そして温前菜では
「本マスの網脂巻きローストとタンポポのサラダ サルサ・バネッで」

海に面していない州の魚料理はやはり川魚で
川の横のタンポポと庭の鶏が朝産んだ卵でサラダにする、
オイルはオリーヴが少ないこの地域ならではのクルミオイル!
魚には豚の網脂でしっとり感をだす。
まさに山の魚料理です。
(鱒に網脂を巻く事について、当時私がシェフのワルテル氏に
「これも郷土的な技法?」 と訪ねたところ
「僕のオリジナル!」 とウインクしながら言っていました)
肝心の本鱒は函館で採れるもので、サーモンより脂が少なく
香り、味はしっかりしていて毎年使う、お気に入りな食材です。
パスタでは春の香りの4番バッター山菜と漁が始まった桜海老です。
「桜海老と山菜のタリオリーニ」

今回はいつものタリオリーニと少し食感を変えています。
本鱒の前菜とこの桜海老のパスタはロゼも良く合います。

パスタ二皿目は毎年恒例の
「新牛蒡のフィオッキ 鴨の燻製と白髪葱、バルサミコ酢のアクセント」です。

二つのパスタ料理とも、食材の組み合わせでは和と伊のコラボレーションですが
いざ口の中に入るとイタリアになります!
セコンドピアットは
「イベリコ豚ホホ肉とホワイトアスパラガス、筍の炭火ロースト」です。

そして頬なのにそれほど固くなく美味しい!
筍の食感とも高相性、鉄分もあるので赤ワインでも楽しめます。
デザートでは黒胡麻とマスカルポーネチーズのセミフレッド 苺の付け合わせ

苺のソースとシャーベット、薄い焼き菓子を添えた当店の春の定番デザートです。
今回のコースを考えるにあたり、
お食事してくださる方々が、お互いに新しい季節の訪れを感じ、
ワインと共にそれを共有しながら楽しい時間を過ごして頂けたら・・・
そんな想いを込めた今回のメニューです。