秋になると特にピエモンテで働いていたことを思い出します。
イタリア生活で出会った人、特にシェフ達は私の大きな財産であります。
中でもとりわけ自分の人生で大きな影響を与えてくれたのがピエモンテ州トッレ・
ペッリチェという村にあるリストランテ・フリッポーのワルテル・エイナルド氏。
ピエモンテの素晴しさ、この地の宗派ヴァルド派に伝わるの独特な料理、そして何より
料理人として、一人の人間としての人生について沢山の事を教えてくれた人です。
我が店の名前“Fiocchi”も氏の料理名であり、
私のリストランテ・フリッポー、ワルテル氏へのリスペクトであります。
フリッポーの様なリストランテを私もいつか開きたいと思っています。

ちなみにワルテル氏はマダムと共にソムリエであり、
私に素晴しきワインの世界の扉を開いてくれました。
写真は当時ヴァルド渓谷に北海道から写真を撮りに来られた、有名な写真家の方に
撮って頂いたもので、フリッポーの地下のカンティーナ(ワインセラー)です。
ここは写真の6倍程の広さがあり、レストランを営む小生としましてはもっとも
憧れる場所であります。
一緒に写っているワルテル氏はこの笑顔そのままの紳士でとても優しく
イタリア人でありながらとても“粋”な人なんです。
この人に出会えたことは私という人間の大切な一部となり、
人生の貴重な1ページであるのです。